Corporate Learning & Development

企業内教育、e-learning、人事などなど

教育とテクノロジーの相性

このブログでは、教育×IT×法人といった領域に関する情報や私見について書いていこうと思います。

私は現在、個人向け及び法人向けにオンライン動画学習サービスを提供する会社において法人事業の推進に携わっております。

日々、経営者・人事責任者様と企業内人材育成・人材開発における課題や解決への施策について議論しておりますが、そこで得られた知見や気づき等を発信し、何かお役に立つ情報提供ができればと思っております。

 

さて、今回は「教育とテクノロジーの相性」についてです。

振り返ってみると、私は高校生の時から(学校)教育の非効率性を漠然と感じていました。

当時は、黒板に先生が板書をしながら、それをノートに取っていくスタイル、もしくは、あらかじめ用意されたプリントに沿って延々と話を聞かされるスタイルのどちらかが主流。

そのためテストの直前になると、ノートが綺麗な人からノートを借り、コピーする人が続出。コピー機前は長蛇の列ができる始末です。

当時は、「結局最終的にはノートで勉強するのだから、これまで行われてきた授業の時間は無駄ではないか?」と思ったものです。そもそも紙を大量に印刷したりすることすら丁度インターネットが普及しだした時期でしたので、非効率だとも思いました。

 

そのような思いを持っていた当時から15年ほど経ち、ようやく教育の世界にもイノベーションが起き、効率性・生産性に革命が起きつつあります。その最たる要因がテクノロジーです。

教育とテクノロジーの相性の良さ①いつでもどこでも学べる

これまでの教育は教室の中、あるいは企業研修においては研修会場の中に閉じられて設計・実施されていました。このやり方はこのやり方で先生・講師と生徒・受講生が顔を突き詰められる良さはあるものの、場所と時間に制約がある点が大きな課題です。

正社員、派遣社員といった区別だけではなく、短時間労働者、リモートワーカーといった多様な働き方がより増加する中、常に場所と時間を制約した形の教育はどう考えても非効率です。

その点、eラーニングをはじめとしたデジタル教育の場合、場所や時間に制約がなく、いつでもどこでも学習することが可能です。

出張時のホテル・出勤前の自宅など自身のワークスタイルに応じて受講することで、一人一人に合わせた学習環境を提供することができます。

教育とテクノロジーの相性の良さ②安価である

インターネット配信により、学ぶコンテンツを流通させるコストが大きく削減できることに加え、人件費の削減も可能です。

義務教育のように皆が同じ内容を学ぶのであれば、その内容について最もよく理解していて、教え方が優れている先生一人の動画をインターネット配信すれば、それ以外の先生は必要なくなります(極端な話ですが)。これにより学習者からするとこれまでよりも遥かに安価に高品質な教育サービスを享受することができます。

教育とテクノロジーの相性の良さ③個別最適化された学習ができる

更に、インターネットを活用した学習が普及すると、

・何を学んだか

・どういった分野の学習が得意かあるいは苦手か

といったデータが蓄積されていくようになります。

例えば学校教育の場合、ある問題を生徒に与えた場合、何分くらい悩んで、どのような画面推移をして、どう答えて間違えたのかといったことも、管理者からは分かるようになります。

そうなると、その生徒の思考回路もこれまで以上にわかるようになりますし、一人一人の特性に応じた丁寧な指導が可能です。

教育とテクノロジーの相性の良さ④学習ログの蓄積

③とやや重なりますが、こちらはどちらかというと社会人教育という観点です。

通常、企業が人材採用を行う場合は、その人の職歴や持っている資格を主な情報判断として考えています。

今後インターネット学習がより普及していった際には、そこに単なる資格情報だけではなく、学習ログというものが大きく重視されていくのではないでしょうか。

その人がこれまでの社会人経験の中で何を学んできたのか、そしてそれが実務でどう活かされたのか(職歴との関連)、そのようなデータが単なる現在の履歴書や職務経歴書を超えて学習ログとして残っていくことになります。保有資格だけではなく、どのような講座をインターネットを通してどのくらい学んできたのかも企業で評価される対象になるはずです。

更にはそのデータからその人の適性を抽出できるかもしれませんし、最適な職種などもリコメンドできるようになるかもしれません。

これは教育とテクノロジーの相性の良さというよりも、教育とテクノロジーがもたらす人類への大きな進化の可能性と言えるかもしれませんが、何れにしても学習ログの蓄積により大きな可能性が広がるのではないでしょうか。

 

まだまだ現実では、ここで述べた①②の相性程度しか認識されていない方が多いですが、今後は③④についても実用事例が沢山出てくると思います。実際の企業様のeラーニング活用事例などは別の機会に書いていこうかな、と。