HR TECH市場の可能性
最近、人事領域においてHR TECHという言葉が注目されています。
2日前の弊社生放送でも、「人事はテクノロジーで進化する」というテーマの第1回の放送を行いました。
「人事」はテクノロジーで進化する 麻野 耕司 先生 - 無料動画学習|Schoo(スクー)
そもそも、HR TECHとは何なのか。
“HR Tech”とは、“HR(Human Resource)× Technology”を意味する造語。クラウドやビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のIT関連技術を使って、採用・育成・評価・配置などの人事関連業務を行う手法のことです。新しいテクノロジーの導入は、採用やタレントマネジメント、リーダー育成、評価、給与計算、業務改善など幅広い領域におよんでいます 出所:日本の人事部
人事の仕事は、「人材募集」、「選考」、「労務」、「人材育成・定着」、「評価・処遇」、「配置・異動」等多岐に亘りますが、それぞれの領域(または複数領域)において、テクノロジーを活用しより効率化していく営みがHR TECHと言えるでしょう。
例えば企業と求職者のマッチングに際して、より最適な候補者の発掘、見極めをAIを活用して行ったり、選考の過程を動画サービスを活用して効率化したり、これまでの実績をもとにエビデンスベースで「Aさんは次は○○のような業務を行うべき」といった人員配置がなされたりという形です。
個人的にHR TECHの大きな可能性として感じることは、複数の○○ TECHと絡み合うということです。
例えば人材育成の領域では、eラーニングを始めとするED TECHと繋がりますし、従業員の福利厚生・健康管理の領域においては、HEALTHCARE TECHと繋がってきます。
世界市場においては、HR TECHにおける投資が活発なだけではなく、大型のM&Aも盛んです。
・2016年6月には、マイクロソフト市場最大規模の買収となったLinedInの買収(そもそもLinkedIn自身も過去5年程度で20社近くを買収)
・2016年8月にはRandstadがMonsterを買収
等非常に活気のある市場と言えます。
日本ではまだそこまでの活況ではありませんが、そもそも日本のHR市場は約8兆円ほどあります。(ざっくり求人広告1兆円、職業紹介3,000億円、派遣5兆円、請負1兆5,000億円)
日本のコンビニ市場が約10兆円ということを考えるととてつもなく大きな市場です。
しかもこの市場は大きく人材採用に関してであり、先ほどの人材育成(企業研修市場で約5,000億程度)、評価・配置といった分野を含めていないため、8兆円を大きくマーケットの可能性と言えます。
AIが人間の仕事を奪うことになる未来よりも、HR TECH市場が立ち上がり、より働き方や採用のあり方が効率化されていく方が確実に早く起こる未来と個人的には考えています。
日本企業においても各社様取り組んでいる事例のご紹介を生放送で今後行っていくので、是非ご覧ください。まずは、グーグルのWork Rulesを参考にしている人事制度で有名なメルカリさんです。