Corporate Learning & Development

企業内教育、e-learning、人事などなど

ビジネススキル学習の成果の測り方

社内教育を行う中で、多くの企業様でも悩まれている点として、

・学習の成果をどのように測定するか

という点があるのではないでしょうか。

資格試験対策のように、成果が点数や合格といったもので判別できたり、あるアプリケーションの使い方を学ぶといったケースでは比較的、その学習が身についたかどうかの判別は容易です。

 

一方で

・社会人としてのビジネス基礎力を身につける研修
・管理職としてのリーダーシップを学ぶ研修

というようなどちらかというと現場でのどの程度行動実践ができるかということが問われる内容ですと、成果が曖昧になりがちです。

ともすると、「あの人は最近仕事に取り組む時の目の色が変わってきたよ」というような印象論で研修の成果が出ているという判断をしがちです。

 

個人的には、このようなビジネススキル学習の成果の測り方としては、受講後のレポートや当日のワークシートにどのくらいのレベルで言語化がされているべきかという点を、事前に設計しておき、そこで評価するというやり方が良いと考えています。

 

その際に重要なことは、単に研修の内容のまとめを書かせるのではなく、

・新たに発見したポイント、学びは何か
・自分の業務を振り返った時に、できていた点、できていなかった点は何か
・できていなかった点が有るとするならばそれは何故なのか

というように自分に引き寄せた内容を記載してもらうことが大切です。

このような枠組みやフォーマットで、各項目に置いてどの程度の内省をしてもらいたいかについて事前に定義し、その内容から見て、レポートやワークシートの記載がどの程度かを判断することが良いでしょう。

上記のような内省ができているからといった行動できるとは限りませんが、深い内省や気づきなくして行動が変わることはまずありえません。

 

これまで、レポートやワークシート、つまり書くということについて述べましたが、実際に言葉に落とし込むことが大切です。

振り返りは思考なので、頭で考えるだけで十分ではないかと思われる方がいるかもしれませんが、それは間違いです。

言語化することによって、自分の考えが整理され、その書いた言葉を外から自分で客観視することができます。

考えるだけですと、思考が流れていきますし、客観的に捉えることができません。言葉に落とし込むことで初めて考えが浅い点にも気づけるし、より考えを深めることもできます。

 

余談ですが、以前勤めていた会社では、話し言葉は信用せず、書き言葉のみを信用する方がいらっしゃいました。その方との打ち合わせの際には、1枚ものであったとしても必ず資料を用意することが求められましたが、話し言葉は取り繕うことができても、書き言葉はごまかせないという軸があったのだなと今改めて思います。